人手が限られるクリニックでは、日々の事務作業を減らすことも人手不足への対策になります。同じ情報の入力、繰り返す案内、記録用の文章づくりを見直せば、医師やスタッフが患者さんへの対応に使う時間を作れます。
採用活動と並行して、今の人数で続けやすい仕事の進め方を考える。ここでは、担当者を増やす前に見直せる作業と、音声文字起こしやAIを取り入れる場面を整理します。
01忙しい時間帯に繰り返している作業
まず見ておきたいのは、誰が、どの作業で手を止めているかです。受付で電話に出る、案内文の場所を聞かれる、同じ内容を別の一覧へ入力する。改善する対象を、実際の動作まで具体的にします。
まずは普段の申し送りなどで、繰り返し手間がかかっている業務や、ほかの担当者に確認するために作業が止まる場面を共有してみましょう。正確な時間や回数が分からなくても、スタッフが日頃困っていることをもとに、見直す業務を絞れます。
| 見直す作業 | 減らせる工程の例 |
|---|---|
| 同じ情報の入力 | 同じ項目を複数の台帳へ書く工程を整理し、参照する一覧をそろえる。 |
| 繰り返す案内 | 確認済みの回答例を用意し、担当者が文面を探して作り直す回数を減らす。 |
| 記録の作成 | 会話や既存のメモから下書きを作り、入力と並べ直しを減らす。 |
| 担当者への質問 | 作業手順と迷いやすい点を参照できる場所にまとめ、同じ説明を繰り返す負担を軽くする。 |
すべてを一度に変える必要はありません。スタッフから何度も挙がる作業を一つ選び、実際に一工程減らせるかを確かめるところから進められます。
02重複入力と、その都度作る案内文
重複入力がある場合は、同じ情報を誰が何のために使っているかを確認します。受付用と担当者用で一覧が分かれていても、必要な項目が同じなら、一つの一覧を参照する運用にまとめられることがあります。
用途が違って別の帳票が必要なら、転記する項目だけを絞る方法もあります。入力欄を減らし、更新する担当者を決めておけば、二つの記録を見比べて修正する手間も少なくできます。
案内文は、よく使うものから回答例を残します。たとえば、予約変更の連絡先や持ち物の案内。担当者が以前のメールを探したり、別のスタッフに文面を聞いたりする工程を減らせます。掲載場所と更新日をそろえておくと、使うときに迷いません。
作成をAIで補助する場合も、院内で決まっている情報を材料にします。担当者が確認した文章を共通の回答例にすれば、その効果をほかのスタッフにも広げられます。
03医師の記録入力を軽くする方法
医師が診療記録を一から入力している部分には、診察の会話を文字にする方法があります。患者さんが話した経過と医師が説明した内容を材料に、AIでカルテの下書きを用意します。
下書きがあれば、会話を文章へ起こし、項目に沿って並べ直す工程を短くできます。医師は全文を確認し、所見や評価などの必要な内容を加えて仕上げます。記録のために別途話し直す方式を取らず、自然な診察のやり取りから作成する使い方です。
GENSHI Voiceには、会話の文字起こしと、その内容を記録用の文面へ整える機能があります。iPhoneアプリでは、普段使う整形指示を登録できます。[1]
診療記録の文章づくりを、会話から。
GENSHI Voiceの使い方を見る →試すときは、誰の入力がどのくらい減ったかを見ます。医師が下書きを利用しやすい長さや項目に整えると、別のスタッフが文章を作り直す工程も抑えられます。
04担当者が変わっても進められる仕事
一部のスタッフに操作方法や案内の確認が集まっているなら、よく聞かれる内容を短い手順にして共有します。最初から業務全体の大きなマニュアルを作る必要はありません。問い合わせが多い操作から、画面と説明を一枚にまとめる方法があります。
手順書には、作業の順番と、判断に迷ったときの相談先を載せます。実際に担当する人が手順だけで進められるか試すと、書き足すべき点が分かります。別のスタッフが探せる場所に置くところまで決めると、引き継ぎにも使えます。
共有する手順の例
対象業務:予約変更の受け付け
掲載する内容:変更画面の開き方、入力する項目、変更後に患者さんへ伝えること、相談先
更新する場面:予約方法や受付時間を変更したとき
新しい担当者への説明を終えたあと、質問が出た箇所を手順へ加えておけば、次の引き継ぎで同じ説明を繰り返す負担も減らせます。
05少人数でも続けやすい改善
改善の効果は、作業を終える時間と、途中で呼ばれる回数の両方で見ておくと判断しやすくなります。たとえば、回答例を用意したあとに、担当者への確認が減ったか。記録の下書きを使ったあとに、入力と修正の合計時間が変わったかを確かめます。
ある人の負担が減り、別の人の作業が増えた場合は、増えた工程を具体的に見直します。AIの出力が長くて整える手間が増えたなら、文量や項目を調整する。共有した案内が見つからないなら、置き場所を変える。小さな修正を重ねて、院内で使い続けられる形にします。
06まとめ
クリニックの人手不足対策として、重複入力、毎回作る案内文、担当者への確認など、日々繰り返す事務作業を見直せます。情報の参照先や手順をそろえることも、仕事を進めやすくする方法です。
診療記録では、音声文字起こしとAIによる下書き作成が選択肢になります。医師とスタッフそれぞれの作業量を見ながら、患者さんへの対応に時間を回せる改善を進められます。
07よくある質問(Q&A)
Q. 改善を進めるための時間も取りにくい場合は、何から始めますか?
同じ質問を何度も受ける作業や、同じ項目を入力し直す作業を一つ選びます。既に使っている回答や書式を共有するだけで済むものからなら、大きな準備をせずに試せます。使い始めてから出た質問に合わせて補う進め方もできます。
Q. 新しいシステムを導入しないと、作業は減らせませんか?
参照する一覧をそろえる、重複する入力欄を整理する、回答例を共有するといった改善もあります。そこまで見直して残る入力や文章作成に、システムやAIを取り入れると、必要な機能を選びやすくなります。
※ 会話を録音する前に相手へ説明して許可を得て、院内の情報管理ルールに沿って利用してください。出力内容は担当者が全文を確認します。詳しくは、電子カルテ×AIのセキュリティ|個人情報をどう守るかをご覧ください。
機能に関する参考資料(2026年9月21日確認):GENSHI Voice 公式アプリ説明

