クリニックの業務効率化は、予約の電話応対、問診内容の転記、診療記録の入力など、日々繰り返す作業から進められます。予約システムやAIを使う場面を具体的に決めると、何を導入し、どの手間を減らすかが見えてきます。
たとえば、電話で受けていた予約をWEBで受け付ける。診察で交わした会話から、AIでカルテの下書きを作る。受付と診察室では、役立つ機能が違います。ここでは、クリニックの仕事に沿って、取り入れられる方法を紹介します。
01予約と受付の業務効率化
予約の受け付けと事前案内
電話で空き時間を確認し、予約を登録する作業には、WEB予約が使えます。患者さんが予約枠を選べるようにすれば、スタッフが一件ずつ日程を調整する対応を減らせます。予約前の通知など、リマインド機能を備えたサービスもあります。[1]
予約完了時の案内には、来院時刻や持ち物、問い合わせ先をまとめておきます。毎回電話で説明している内容を先に届けられると、受付時の案内にも使えます。
WEB問診と転記の削減
問診の入力を減らしたい場合は、患者さんの回答を電子カルテでどう使えるかまで確認します。WEB問診と電子カルテの連携に対応する製品では、回答内容をカルテに取り込む機能を利用できます。[2]
デモでは、受付担当者と医師が、患者さんの回答から診察までの流れを確認します。
- 回答の確認:どの画面で読み、カルテへどの形で取り込めるか
- 追加の問診:来院後に聞いたことを、どこに書くか
ポイント診察と検査に合う予約枠を設定できるか、電話予約も同じ一覧で管理できるかを確認します。別の台帳への入力し直しが残らないかも見ておきます。
02診療記録への音声文字起こしとAIの活用
診療記録の入力には、診察中の会話を使う方法があります。患者さんが話した経過や、医師が説明した内容を文字起こしし、AIで記録の書式へ整理します。自然な会話を材料にするため、記録用に改めて話し直す手間を省けます。
診察の話題が前後しても、AIへの指示で経過や方針を項目ごとに整理できます。医師は下書き全体を確認し、診察で得た所見や評価など、必要な内容を補って仕上げます。
たとえば、症状の経過を聞いたあと、生活について相談し、最後に最初の症状の話へ戻った診察。文字起こしにAI整形を組み合わせると、関連する発言をまとめた下書きを作れます。普段の書式に合わせて項目や文章量を指定しておくと、記載し直す量も調整できます。
GENSHI VoiceのiPhoneアプリは、会話の文字起こしに加え、要約やSOAP形式への整形に対応しています。自分で指示文を登録できるため、院内で使っている記録の形式に合わせた下書き作成に活用できます。[3]
診察の会話から、カルテの下書きへ。
GENSHI Voiceの機能を見る03会計時の受け渡しと決済
会計業務では、減らしたい作業に合わせて決済方法を選びます。現金の受け渡しを減らすならキャッシュレス決済、窓口での支払い操作を減らすなら、登録済みのクレジットカードによる自動精算も候補です。事前登録したカードで診療費を決済できるサービスが提供されています。[1]
会計のデモでは、金額の入力から訂正、入金確認までを試します。電子カルテやレセコンの情報を使えても、スタッフにどの操作が残るかを確認しましょう。
04院内文書の作成と更新
日付を変えるだけの休診案内は、ひな形を更新します。予約受付の変更を手順書にする場合は、打ち合わせの記録からAIで下書きを作れます。
受付担当者が下書きを読み、決めた手順と合っているか、必要な説明が抜けていないかを確認してから共有します。
05費用と作業時間の確認
導入する業務は、担当者が繰り返し時間を使っているものから選びます。
| 対象業務 | 試用時に確認すること |
|---|---|
| 予約と受付 | 予約の電話応対がどのくらい変わったか。WEBで受けた内容を入力し直していないか。 |
| 診療記録 | 下書きの確認と修正を含めて、記録を仕上げる時間がどう変わったか。 |
| 会計 | 窓口での操作に加え、入金確認や訂正処理まで含めた作業量。 |
| 院内文書 | 既存の記録から手順書を作り、決定事項との照合や修正を終えるまでの時間。 |
予約や受付を比べるなら、来院数や担当人数が近い日で確認します。診療記録なら、内容や長さが近い診察で試すと、業務の違いによる影響を小さくできます。
費用は月額料金に加え、初期設定や研修に使う時間、決済などの利用ごとに発生する料金も確認します。まず一つの業務で、実際に減った手間と費用を比べる。その結果を見てから対象を広げると、次に取り組む業務を選びやすくなります。
ポイント操作にかかる時間に、確認と修正の時間も含めて比べます。使える状態に仕上げるまでの手間が減ったかを確かめましょう。
06まとめ
- 減らしたい作業から選ぶ。予約の電話応対、問診の転記、診療記録の入力など、負担になっている業務を一つ選びます。
- 確認や修正も含めて比べる。実際に減った手間と費用を確かめてから、対象を広げます。
07よくある質問(Q&A)
Q. 今使っている電子カルテを変更する必要がありますか?
予約の受け付けや院内の手順書の作成など、今の電子カルテを使いながら取り組める業務もあります。問診データの取り込みや会計情報との連携を使いたい場合は、利用中の電子カルテやレセコンとの対応状況を確認します。変更する範囲は、減らしたい作業に合わせて決められます。
Q. 新しいシステムを導入する前に、見直せることはありますか?
毎回作り直している案内文をひな形にする、同じ内容を複数の台帳に書いているなら一つにまとめられないか確認する、といった見直しから始められます。まず、今の仕事で繰り返している作業を減らせるか確認します。
※ 診察を録音する際は、患者さんへ説明して許可を得たうえで利用し、医師が出力内容全体を確認してください。患者情報の取扱いは、電子カルテ×AIのセキュリティ|個人情報をどう守るかで紹介しています。
機能に関する参考資料(2026年9月20日確認)
- 予約・通知・自動精算:デジスマ診療 公式サービス説明
- WEB問診とカルテの連携:CLIUS 公式サービス説明
- 文字起こし・要約・SOAP整形・指示文登録:GENSHI Voice 公式アプリ説明
